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「フットスクエア森田店長の日々徒然」アルバイト審判に求められる資質とは?(14)―試合を左右する判定についてお話したいと思います

こんにちは、森田です。

サッカー日本代表、ブラジルにやられちゃいましたね。非常に悔しいです。そしてすごいですね、ネイマール選手。日本のディフェンダー陣は完全に彼一人に飲まれちゃいましたね。飲み込まれちゃいましたね。でもきっと次のチャンスには逆に「ブラジル」を「ブラ汁」にして飲み込んでやりたいものです。そう信じています。



(14)―試合を左右する判定についてお話したいと思います

そういう場面に遭遇することを嬉しいと思うか避けたいと思うかはその人の資質によるんだと思いますが、フットサルの試合でも微妙な判定というのは一定の割合で確実にあって、それをAと判定したときとBと判定したときで試合の勝ち負けが分かれてしまうということは、間違いなくありうることなんですよね。

そのむかし、「ペナルティエリア内ではそう簡単にファウルをとれない」とおっしゃった審判がいて、これがなかなかの話題になってしまったことがあったようですが、現在では「ペナルティエリアの内と外では判定基準を変えない」というのは審判をする上でのコモンセンスとなっていますし、フットサルでは通称第2PKとなる『累積ファウル5つ目以降であっても判定基準を変えない』という記述がフットサル競技規則にもあります。


疑わしきは罰しない

まずお話したいのは、フットサルのゲームをぶつぶつと断ち切らないためにも、必要以上にファウルをとるべきでない接触というのはたくさんあるということです。(第9回―フィジカルコンタクトを判定する)。また、選手のレベルやときには試合の状況に応じて判定基準を変えることも考えながら審判はゲームを進めていきます(第11回―判定基準を変えるという判断、についてお話します)。

しかし、審判が目の前で起きたことについて、具体的に何が起きたか判別できないということもあるわけです。例えばボールのないところで選手どうしが競り合ってどちらかがバランスを崩したが、どちらが不用意なプレーをしたのかわからなかった、とか、見えない角度でシャツを引っ張ったかもしれない、などのことがありうるわけです。

基本的にはどちらかの審判がしっかり監視をしていなくてはならないのが大前提ではありますが、仮にただ「疑わしい」だけの行為があったときにどちらの選手も気にせずプレーできている環境であれば、必要以上に審判がゲームに介入しないようにすべきなのです。

そういう意味で、審判はすべてのプレーをしっかり監視しつつも「疑わしきは罰しない」ようにゲームを進めます。


ゲームを進めるための判定基準

審判がひとつひとつのプレーに対してファウルかファウルでないかという判定をするのは、必ずしもどのフットサルの試合でも同じになるわけではありません。もちろん同じ大会などでは同様の基準であった方が望ましいということはありますが、ひとつひとつの判定がその試合の判定基準だと選手や役員や観客全員が理解していきます。

そういう視点から考えると、「疑わしきは罰しない」ことは重要ではありますが、疑わしいだけだったので試合を止められなかったことが、選手が思う判定基準に大きな影響を与えているかもしれない、ということを、審判は心に留めておく必要があります。そして自分が思う判定基準をしっかり頭に描いておく必要があるでしょう。

冒頭で「ペナルティエリアの内と外で」、また「累積ファウル5つ目以降になっても」判定基準を変えないということを申しましたが、逆に言うと「ペナルティエリアの内で」、また「累積ファウル5つ目以降で」さらには決定的な得点のチャンスの場面など、試合を左右する場面では判定基準ははっきりしていなければいけないのです。

そしてもちろんのこと、試合を左右する場面で「疑わしきは罰しない」とすることは限りなく少ない方がいいのです。


チャンスの場面を把握する

審判が上達するステップとして、各チームの選手の性質を頭に入れてどういう方法で攻撃しようとしているのかを予測しながら動けるようになる、ということが挙げられます。特にフットサルではサッカーほどには得点が入るような予兆がなく、急激に展開が早まることも多いので、いつチャンス(ピンチ)がくるのか選手よりも早い段階で気づけると、緊迫した場面で起きた行為に対してより落ち着いて判定ができます。

さらに、退場に当たる不正行為で「決定的な得点の機会の阻止」では、次のことを考慮に入れるようにガイドラインに示されています。

主審・第 2 審判は、得点、または決定的な得点の機会の阻止で競技者に退場を命じるかどうか決定するとき、次の状況を考慮に入れなければならない。

●反則が起こった地点とゴールとの距離
●ボールをキープできる、またはコントロールできる可能性
●プレーの方向
●守備側競技者の位置と数
● 相手競技者の決定的な得点の機会を阻止する反則が直接フリーキック、または間接フリーキックとなるものであること。
● その違反が交代要員によって犯された場合、その交代要員は必ず退場を命じられなければならない。

フットサル競技規則の解釈と審判員のためのガイドライン 2013/2014

反則があったときに初めて、これらの項目に照らし合わせてどういう状況なのかを検証している時間はないわけですから、これらの項目にあたることは常に観察していて、初めて試合を左右する場面になってしっかりした判定ができるわけです。


視野とポジショニング

先ほど、「試合を左右する場面で「疑わしきは罰しない」とすることは限りなく少ない方がいい」と言いましたが、チャンスの場面がくることを予感しできる限り死角をなくすことで、その場面で起きることを見逃さないようにすることができます。

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これはポジショニングの一例ではありますが、チャンスの瞬間に両チームの選手とボールが一列に並んでしまうと、主審と第2審判で試合全体を対角線で監視していても、ファウルの瞬間が死角になってしまうことがあります。

これを避けるためには、試合を左右する判定が必要な場面なのかどうかということを予感し、その必要に応じて細かくポジションを動くことで、試合を左右する場面を見逃すことがないようにすることが重要です。


判定基準は変わらないけど、判断材料は大きく変わる

ペナルティエリアの中でのプレー、もしくはチャンスの場面でも判定基準は変えないということを言いましたが、それ以外の場面とは違う状況であることを頭に入れておかなければなりません。

・アドバンテージ
ファウルをとるべきなのか、とらないべきなのかはファウルを受けたチームがフリーキック(ペナルティキック)をする方が得をすると考えられる状況で、初めてファウルとします。ですのでチャンスの場面とそうでない場面では、アドバンテージの判断が大きく変わります。(ペナルティキックであれば99%ファウルにすべきですが)

・シミュレーション
例えば攻撃をしている選手の方から足をかかりに行くということもあります。接触の程度が同じだとしても、同じ基準で判定できるのかよく見極める必要があります。

・選手の意識
ペナルティエリアの中で守備側の選手がピンチを迎えているという意識でプレーが荒くなっているのか、それともファウルを恐れてプレーが控えめになっているのか、、意識を見極めることでゲームの展開を見極めることにつながります。


よりよい判定をするための3つの"A"

よりよい動きのために、3つの"A"を提唱します。展開に遅れないためには、この3つを活用してみてください。

〇「アウェア(aware)」:アンテナを張っておき、何かが起こることに「気づき」を持っておくこと。
〇「アラート(alert)」:何が起こってもすぐに動きだせるように体を準備すること。
〇「アジャイル(agile)」:実際に体を俊敏に動かすこと。

『ポジティブ・レフェリング―ファウルが減る! ゲームがおもしろくなる! 驚きのサッカー審判術』 松崎康弘


この3つを常に実践することを続けて行くと、今まで見えなかったものがどんどん見えていくようになると思います。ぜひ心がけてみてください。

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まぁ僕自身、試合を左右する判定で「間違っていたかもしれないなぁ」というのは何度かあるわけです。そのときは自信を持って笛を鳴らしているのですが、後から思い返すと、やはり何か心に引っかかったものがある気がするのです。

キーパーと1対1の決定的な場面で、後ろから追いついたディフェンダーの何てことはないショルダーチャージでアタッカーが倒れたのでプレーを流したけど、もしかしたら肩に気をとられていて足が少しトリップしたのを見逃したかもしれない...とか、逆に派手なスライディングが足をかけたかどうか微妙だったけど、足をかけた音をたよりにファウル→PKの判定をしたけど、よくよく思えば大した音じゃなくておそらく派手なスライディングが地面と擦れた音で、若い第2審判に「たぶん足はかかってなかったです。シミュレーションだと思います」と試合後に言われて、そうだったかもなー...ということはあるんですよね。

でもやはりそういうシーンは忘れられなくて、チャンスの場面ではフラッシュバックすることすらあります。そういった経験は積み重ねることで集中力はすごく向上し、ピッチの外でも様々な判断力として生かされている気がします。

報われない仕事だなーを思えば審判というのはなかなか損な役回りではありますが、それをやらない人には経験できない極限の状況を味わえるという意味では滅多やたらには立てないポジションでもあるんじゃないでしょうか。

審判やってみたい人がいましたら、ぜひお待ちしております!
http://www.foot-square.jp/morishita/staff/index.html

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☆これまでの連載記事はこちら☆
(1)―レベルの低いフットサル大会は審判のレベルが低くても大丈夫?
(2)―ワンデイ大会の参加チームは選手?お客様?
(3)―アルバイト審判が誤審しました!どーする?
(4)―ゲームをコントロールする
(5)―サッカーの審判とフットサルの審判、どっちが大変?
【W杯直前】―フットサル審判からみる「ゴールラインテクノロジーが迎える初のワールドカップ!」
【W杯直前】―審判のジャッジとコミュニケーション
(6)―ワンデイフットサル大会がそもそも抱えている困難
(7)―審判の判断力について
(8)―審判員のポジショニング
(9)―フィジカルコンタクトを判定する
(10)―キックインの進め方についてお話します
(11)―判定基準を変えるという判断、についてお話します
(12)―「ファウル・不正行為」と「プレーの再開」についてのちょっと細かいお話をします
(13)―ハンドはどこからハンドなのか!?頭の体操を兼ねたお話をいたします

■著者プロフィール■

森田 真一 1979年生まれ。紆余曲折あったあと、2009年12月からフットスクエア江東・森下ショップリーダー(店長)。
Twitter:
@Shinichi_dingo (森田 真一)
@FOOTSQUARE_mori (フットスクエア江東・森下)
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