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【フットサル界のおシゴト事情】企業インタビュー vol.1『コスタ横浜の人気店長が教えるフットサルコートビジネスのノウハウ』

今年5月にオープン3周年を迎えたフットサルコート『コスタ横浜』。神奈川新町駅から徒歩12分という決して良いとは言えないアクセスでも、日々コートのレンタルは絶えず、個人フットサルやスクール事業も盛況です。その人気の裏側には、スタッフのこだわりとこれまでの経験が見えました。成功するフットサルビジネスの裏側には一体何があるのか? 店長の藤村さんに、『コスタ横浜』の人気の秘密についてお話を伺いました。

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写真◆長嶋 良太 文◆中村麻衣子

■非日常の空間を演出するこだわりのコート

――フットサルコートを始めることになった経緯を教えてください。
「フットサルの業界に携わって10年ほど経ちますが、以前勤めていたフットサル関連の会社を事情により離れることになったんです。ただ中途半端な形で終わってしまったので、やはりフットサルの仕事がしたいという気持ちが強く、一緒にやろうというメンバーで集まって再チャレンジすることになりました。そうしてスタートしたのが2009年で、1号店であるコスタ横浜をオープンしたのが2010年の5月です。ちょうど3年前ですね」

――準備段階では何に苦労しましたか?
「まず場所を決めることが大変でした。土地を借りてやるビジネスなので、土地の形や賃料、駅からの近さなど条件がいろいろあります。ここは良いけど、ここが良くない、というように僕らが求める条件をすべてクリアする物件になかなか巡り会えなかったんです。それが1年近く続いて、ようやくこの地に1号店をオープンすることにしました」

――この場所でオープンするに至った決め手は?
「この場所、駅から歩いてこられる方には最初『遠いな』と感じられると思うんです。駅から15分弱歩きますし、道が倉庫街じゃないですか。みなさん最初は『はたしてフットサルコートがこの先にあるのだろうか』という不安を抱きながらいらっしゃいます(笑)。でも、コスタ横浜は"日常とちょっと離れた空間"を演出したかったんです。ここなら夜でも気にせず大声を出せるので、コスタは深夜2時まで営業しています。思いきりお客様が楽しめる空間をここなら実現できると思ってこの地に決めました」

――都市型のフットサルコートが増える風潮の中で、あえて市街地から少し離れた場所にオープンしたんですね。
「そうですね。地図を広げて他のフットサルコートの立地を調べたり、近隣の人口を調べたりしてここに決めました。それにデパートの屋上だと営業時間が限られていたり、都心部だと休日がゴーストタウンのようになって売上が伸びなかったりといったデメリットもあるんです。騒音の問題で何回も住民説明会を行った経験もあります。スポーツを楽しめる場所を作ろうとしているのに『あまり大きな声ではプレーしないで下さい』と言わなきゃいけない歯痒さも経験しました。そういった縛りもなくできるという点であえてこの場所を選びました。大声を出しても大丈夫だし、音楽を流しながら、思いっきり楽しんでもらっています」

――オープンしてすぐに軌道には乗れたのでしょうか。
「オープンすることがゴールではないです。会員数ゼロからのスタートだったので、最初は予約のない日が続きました。電話が鳴るのをうれしく感じましたね。苦労もたくさんありました。失敗をくり返しながらイベントやキャンペーンなどにチャレンジしたり、ホームページのトップ画面を飽きさせないように定期的に入れ替えたり、いろいろ試行錯誤して。それにやっぱり自分ひとりでは何もできませんし、イベント会社さんやフットサルショップ、メディア媒体の方々など協力して下さるいろいろな人の助けがあったことも大きかったと思います。それで半年くらい経って、軌道に乗ってきた感覚がありました」

■接客の工夫は「ファンを作る」気持ち

――コスタ横浜のコンセプトは『笑顔で過ごす場所』だそうですね。これにはどんな想いが込められているんですか?
「まずお客様には、コスタ横浜にできるだけ長く滞在してもらいたいと思っています。『終わったら早く帰ってください』とは言いたくありません。せっかく楽しみに来ていただいているのに、例えば駐車場のスペースが限られているから次に来たお客さんと入れ替わって下さい、という感じでは寂しいじゃないですか。それにできるだけ長く滞在してもらえば、それだけお客さんと会話できるチャンスが増える。つまりコスタを好きになってもらえるチャンスが増えると思っています。あとは、いろんなタイプのフットサルコートを見てきましたが、プレイヤーだけでなく一緒に来た人も楽しめるようなフットサルコートにしたいなと。例えばせっかく家族や恋人を一緒に連れてきても、見るスペースが整備されておらず2時間立ったまま待たせてしまうのでは、家族や恋人にフットサルを認めてもらえませんよね。だから観覧用スタンドを整備したり、コート周辺に待機できるスペースを確保したり、軽食やドリンクを楽しめる場所を作ったりしたりしたんです。バーベキューもその一つですね。来ていただくお客様全員に、笑顔になってもらいたいと考えています」

――普通のフットサルコートでは終わらない、プラスαの工夫があるんですね。
「そうですね。だいたい皆さん、蹴り終わったあとってどこか居酒屋さんに行って打ち上げをされることが多いですね。それなら、打ち上げも一カ所で完結できるようなお店にしようという発想でした。それにバーベキューなどでお酒が入ると、フットサル以外のお話もできて、お客さんとの距離をどんどん近くすることができます」

――スタッフ全員にその方針が定着しているように思いますが、いわゆるスタッフ教育はどう行っているんですか?
「定期的にミーティングは開いていますが、あまり細かく言っているわけではありません。ただ、入ってきたスタッフには最初に『ファンを作る』ということは伝えますね。コスタのファンを作るということは、今スタッフが10人ほどいるんですがその10人がそれぞれファンを作っていけば、必然的にコスタのファンを増やすことになりますよね。だからなるべく早くお客さんの名前を覚えて、かつ自分の名前も早く覚えてもらって、名前でコミュニケーションを取るような関係を作ってほしいと。僕が言うのはそれくらいですね。それでみんなそれぞれ一生懸命働いてくれています」

――受付に座って終わるようなコミュニケーションではないわけですね。
「そうですね。サービス業ですから。スタッフの接客がとても重要です。フットサルコート事業の売り上げの構成は、レンタルコート・大会・個人プログラム・ジュニア・物販というように5つくらいの部門に分かれているんですが、以前フットサルコート事業が始まった初期の頃は、レンタルコートの売上が全体の大半を占めていたんです。でも今は、立地にもよりますが売上の構成がだいぶ変わってきていて、レンタルコートに特化していないフットサルコートも出始めています。うちの場合も、レンタルコートと大会と個人プログラムの3つがほぼ同じくらいになっている現状ですね。だからどこかの部門が調子悪くても、他の部門が助けてくれる。3つの柱があることで、安定感は出てきますね」

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■工夫がなされた個人プログラムやイベント

――個人プログラムというのはどんなことをやっているんですか?
「個人フットサルと個人スクールを合わせて『個人プログラム』と呼んでいます。去年の春から個人プログラムで月間1000名を目標にしていて、去年の9月頃にそれを突破したときは達成感がありましたね。さらにその後1000人にとどまらず月間1500人も達成して、予想以上に個人のお客さんの輪が広がっているなというのは嬉しかったです」

――その輪は口コミで広がったんでしょうか。
「そうですね。どの施設さんも個人フットサルや個人スクールをやっていると思いますが、その中でもお客様がうちを選んできて下さるというのは、レベル分けやコートに立つスタッフの進行、お客さんとのコミュニケーションがうまくいき始めた現れかなと思います。レベル分け、曜日、時間帯など試行錯誤しながら、お客様にもアンケートを取っていろいろ調整してきました。せっかく15分ほど歩いて皆さん来てくれているので、満足して帰ってもらえるような運営を心掛けています」

――イベントはどのような形で行っているんですか?
「イベントは、ヴァンクールさんというイベント会社さんと協力してやらせていただいています。ヴァンクールさん自体も関東で10年近くやられていて、今もフットサル施設の30拠点くらいでイベントを行っているところなので、オープンの時にもヴァンクールさんの会員さん向けにコスタ横浜ができますということを発信させていただきました。今も良い関係でやらせていただいています。専門の会社に得意分野は任せている形ですね」

――実際のところ、どれくらい儲かっているんでしょうか。
「儲かってはないですよ(笑)。まだまだこれからです。」

――川崎にもコスタの2号店があるそうですね。
「そうです。まだ川崎も一年半くらいなので苦戦している状況ですが、ようやく認知が広がりつつあります。コスタ横浜のお客さんが川崎に行ってくれたり川崎のお客さんが横浜に来てくれたりとうまく交流できているので、これからかなと。いずれあともう一店舗増やしたいなと思っています」

――今後の目標、夢を教えてください。
「当面の目標は、来年に3号店をオープンすることです。東京や神奈川で、今考えているところです。長期的な目標では、フットサルコートだけでなくサッカーコートも持ちたいです。ただそうなると何倍もお金がかかるので、まだまだ先の話だと思いますけどね」

――最後に藤村さんにとって、フットサルとはなんですか?
「自分を成長させてくれる仕事ですね」


◆藤村 武(ふじむら たけし)
1975年6月10日生まれ(38歳)
小学1年生からサッカーを始め、順天堂大学では体育会サッカー部に所属。大学院卒業後は、数年間教員をした後、現在のフットサルビジネスに携わり始めた。そして、前職退職後、フットサルコートの開業を目指して一念発起。2010年5月にコスタ横浜のオープンし、現在は2号店のコスタ川崎とともに2店舗の店長を務めている。藤村店長をはじめとしたスタッフによる大人向けフットサルスクール事業も、各曜日毎回定員に達するほど大人気。

http://costa-futsal.com/


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