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審判の視野についてお話しますvol.2―アルバイト審判に求められる資質とは?(18)

メリークソスマス!!!!!(察してください...) 森田です。


(18)―審判の視野についてお話しますvol.2

前回に引き続き、フットサルの審判をするときの視野についてお話いたします。前回は選手全員をちゃんと捉えられる視野に入れるように心がけましょうという話をいたしましたが、今回は視野のお話ですがまたちょっと違ったお話です。

ファウルを見逃してしまうことはもちろんあってはいけないのはいけないのですが、見逃してしまうことは100%ないとは言えません。そしてもし見逃してしまったときに、「次は絶対見逃さないぞ!」と試合中に気合を入れ直して意気込んで行くことってありますよね。ってかこれ僕自身の話なんですが。

で、「見逃すもんかー」と意気込んだ結果、「あれ、今の何が起きたのかわかんない...」てなっちゃうことってあるんですよ。そういうときの原因って9割方は精神的なものだとは思うんですけど、しっかり見ようと集中していたのになんで見えなかったのか自分でもわからないな...ってことが過去に何回かあったんです。そして視野についていろいろ調べていくうちに、どうもしっかり見ようとすればればするほど見えないっていう理屈があることがわかってきたので、その辺のお話をしたいと思います。


見れば見るほど見えない?

前回は視野についてちょっと科学っぽいお話をしてみましたが、そのときに細かくて高度な情報を得るための中心視と、全体像を捉えるための周辺視があるというお話をしました。審判をするときは選手全員を周辺視でも有効な視野に入れておきましょうというという話でしたが、今回は中心視の話も交えていきたいと思います。

37.jpg審判の仕事は周辺視を使って選手全員を見ることだけはなく、それよりさらに細かいところを見る必要ももちろん出てきます。それでも中心視というのはさらに細かい情報を得るために使うものなので、中心視で確認するようなことはインプレー中にはほとんどないと思います。あるとすれば背番号を確認したり、選手の表情を伺ったりするといったところでしょうか。

審判は選手よりもボールウォッチャーになってはいけないみたいなことを前回も言いましたが、きちんと視野をとっているつもりでもボールの動きや選手同士の接触をどうしてもじっと見てしまって、視野の中でも中心部分に意識が集中することってどんな審判でもやってしまいがちだと思うんですね。でもそれが行き過ぎると反対にボールの動きも選手の動きも捉えることが難しくなってしまいます。

コラム-14.jpg

それはなぜかといいますと、視野の中心部分に意識が集中すると中心視でものを見ることに近くなるわけですが、上記の表が説明するように、中心視でもの見ると反応速度が遅くなり、狭い範囲からしか情報をえられなくなってしまいます。何度も言いますが中心視でものを見るということは文字を読んだり細かい画像を認識することに特化した能力なのです。だからどうしても運動するものをを捉える能力はそれと引き換えに弱くなってしまうようです。


切り換えはやっぱり難しい

とは言うものの、「中心視を使わずにゲームを監視しましょう」てのもちょっと難しいタスクなんじゃなかなと思うんですね。ていうのは審判て結局は競技規則にしたがって判断しなきゃいけないという大前提があって、その判断っていうのはなかなか感覚的にできるものじゃないと思うからです。

これはほとんど私見なんですが、ゲームの中で目に映ったものを経験に基づいたパターンに沿って判断していくのって、ある程度熟練していくと感覚的にできるようになるものだと思うんですけど、周辺視を巧みに使ってゲームを見ていくのってそういう経験的な感覚をうまく使うっていくことだと思うんですね。

なんですけど経験的な感覚よりもやっぱり競技規則は上位にあるわけです。「今のプレーはチャージングとしては問題なかったから流したけど、よく見ればトリッピングだったかな...」みたいなことを考える始めるとどうしてもできる限り細かいところが見たくなってしまうんですよ。特に今までに経験したことのないようなプレーがあった場合は。

どんなときでも競技規則に照らすのが一番フェアなんですが、理屈で考え始めるとどうしても視野が狭くなるんですね。試合中にそこまで悩まないのが一番ですが、この辺の切り換えはやっぱり難しくて、慣れるまでは避けて通れない部分だと思います。


ちょうどいいところに視支点を置く

また結局は中心視を使わないで周辺視をうまく使うと言っても、視力が最も強いのはやはり視野の中心部分でして、中心から離れるほどに視力は弱くなるんです。なのでよく見るということは視野の中心部を使うということは間違ってはいない、とも言えてしまうわけなんですね。

ではうまく視野を使うには結局どうしたらいいのかってことになりますよね。これはいろいろ調べていたら、視支点といって視野をうまくとるための考え方があったので紹介したいと思います。

要するに動いているものの中で必要な情報をえるためには、視野の中心を必要な範囲の中心に置いてしまうということです。そうすると中心視で動いているものを見ず済むので、その周辺から入ってくるものの動きを見るようにしましょうということです。

例えて言うと、ボクサーは相手のあごに視支点を置いて相手のパンチは視野の中心にくることは決してないようにしていたり、野球のバッターは視野の中心は
ピッチャーの肘の辺りにあってボールは視野の中心にはこないそうです。

コラム-14-2_03.jpg

次回もこの話は続くので、今回は最も視野を小さくとるとしたら視支点をどこに置くかという程度にとどめておきます。

これはすごく至近距離で見なきゃいけない場合や、ファウルが起きそうだという場面でどう視支点を置くかという例です。このときにボールに目がいってしまうとボール自体の動きにも目が反応しづらく、選手の接触も十分に見られなくなる可能性もでてきます。

実際これも僕自身の経験によるものですが、選手と選手の間の腰から少し下あたりに視支点をおいて、ボールの動き、足の動き、手の動きがしっかり入ってくるようにするのがいいように思います。

気になるところを見てしまうというのはどうしてもあるのですが、それはひとまず忘れましょう。見なければいけないものの動きを冷静に見るためには、見過ぎずに全体をぼやっとみるのがコツだと言われているようです。


いかがでしたでしょうか。この話は僕も楽しんでいるので次回もやらせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

NHK放送科学基礎研究所 福田忠彦 運動知覚における中心視と周辺視の機能差
https://www.jstage.jst.go.jp/article/itej1978/33/6/33_6_479/_pdf

慶應義塾大学 SFC 人間環境整合論 第13回 2006/01/19 エルゴノミクスの実際(3)スポーツ (担当:福田忠彦)
http://gc.sfc.keio.ac.jp/class/2005_14630/slides/13/

慶應義塾大学 連続公開講座~Bridging Program between You and KEIO SFC~「講義名:身体運動から自分を知ろう」
http://gc.sfc.keio.ac.jp/class/2003_gc00001/slides/05/index_33.html


☆これまでの連載記事はこちら☆
(1)―レベルの低いフットサル大会は審判のレベルが低くても大丈夫?
(2)―ワンデイ大会の参加チームは選手?お客様?
(3)―アルバイト審判が誤審しました!どーする?
(4)―ゲームをコントロールする
(5)―サッカーの審判とフットサルの審判、どっちが大変?
【W杯直前】―フットサル審判からみる「ゴールラインテクノロジーが迎える初のワールドカップ!」
【W杯直前】―審判のジャッジとコミュニケーション
(6)―ワンデイフットサル大会がそもそも抱えている困難
(7)―審判の判断力について
(8)―審判員のポジショニング
(9)―フィジカルコンタクトを判定する
(10)―キックインの進め方についてお話します
(11)―判定基準を変えるという判断、についてお話します
(12)―「ファウル・不正行為」と「プレーの再開」についてのちょっと細かいお話をします
(13)―ハンドはどこからハンドなのか!?頭の体操を兼ねたお話をいたします
(14)―試合を左右する判定についてお話したいと思います
(15)―"第2PK"についてお話しようかと思います
(16)―セットプレーの進め方についてお話します
(17)―審判の視野についてお話ししますvol.1

■著者プロフィール■

森田 真一 1979年生まれ。紆余曲折あったあと、2009年12月からフットスクエア江東・森下ショップリーダー(店長)。
Twitter:
@Shinichi_dingo (森田 真一)
@FOOTSQUARE_mori (フットスクエア江東・森下)
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