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審判の視野についてお話ししますvol.1ー「フットスクエア森田店長の日々徒然」アルバイト審判に求められる資質とは?(17)

みなさんこんにちは。森田です。

今年も間もなく終わってしまいますね。年の瀬の一大イベントであるクリスマスってご存知だと思いますが、フットサルとクリスマスの日ってあんまり相性がよくないんですよ。少し前の20日前後で「クリスマスイベント」みたいのは結構あると思うんですけど、24日・25日はまー毎年とても暇な思いをします。みなさん家族や恋人と過ごすんでしょうとは思うのですが。

クリスマスにフットサルで合コンとかどうでしょうか。やりたい方いましたらご連絡お待ちしてますー。

(17)―審判の視野についてお話しますvol.1

ちょっと込み入った話になりますが、今日は審判をする際の「視野」についてお話したいと思います。

審判をしたことがある人なら例外なく誰ひとりとして、「今の見えなかったなー」というのがあると思うんですね。僕もあります、数え切れないほど。。。もちろん見えなかったものが重要な判定に関わるときもあればそうでないときもあります。しかし審判が判断を行うには「目で見たこと」もしくは「耳で聞いたこと」を基にするしかないですよね。

見えたことを基にして見えてない部分を補足するということはありえますが、少しも見えても聞こえてもいないことに関して、「たぶんこうだっただろう」で判定を行うことはできないのです。

今回は見えないところでファウルが起きた、見ていたつもりなの見えていなかった、を極力減らすことを考えためのお話をしたいと思います。

審判が見ていなければいけないもの

講習会では口を酸っぱくして言われることですが、いちおう説明します。試合中に審判は何を見ていなければいけないのか、というのはフットサル競技規則を読み込めばわかることではありますが、以下の条文に端的に顕れているのではないでしょうか。

競技者が次の 7 項目の反則を不用意に、無謀に、または過剰な力で犯したと主審・第 2審判が判断した場合、直接フリーキックが相手チームに与えられる。
● 相手競技者をける、またはけろうとする。
● 相手競技者をつまずかせる。
● 相手競技者に飛びかかる。
● 相手競技者をチャージする。
● 相手競技者を打つ、または打とうとする。
● 相手競技者を押す。
● 相手競技者にタックルする。

フットサル競技規則 2014/2015

何が言いたいかといいますと、「ボール」という言葉が一つもでてきません。ゲームコントロールにおいて最も重要になる直接フリーキックで罰せられるファウルは、「ボール」周辺でなくても起こるのです。

ではファウルが起こるための必要条件は何なのかってことですが、条文を読んでの通り、「競技者」と「相手競技者」がそこに存在しているということなのです。つまり審判は、すべての競技者を視野に入れていなければいけないということになります。別の言い方をすれば審判は選手よりもボールウォッチャーになってはいけないとも言えます。


審判員のポジショニング(復習)

このコラムの第8回の審判員のポジショニングでお話しましたことをおさらいしたいと思います。ポイントは幾つかありましたが、今回は以下をおさらいします。

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・インプレー中はプレイエリアに入らずに、視野を90°以内に保つ
・2人の審判でプレーを対角線で挟む

今までも何回かお話させていただいた「視野を90°以内に保つ」ということは、すべての競技者を視野に入れるためなんですね。競技規則でも審判員のポジショニングは規定されていますが、それはそれですべての競技者が視野から外れないように工夫された結果そうなっているんですね。


「視野」をちょっと科学してみます

なぜ「視野を90°以内に保つ」ことが重要なのかということをちょっと科学の方面から考えてみたいと思います。「視野」とは人間の眼は見えている範囲のことをいいますが、たんに「視野」といっても世の中ではいろいろな研究がされているようです。

みなさん視力検査をされたことってあると思いますが、印が小さくなれば小さくなるほど目を凝らして集中して見ますよね。そのときは小さい印が視野の中心にあってその他の周囲のものは全然目に入ってこない状況だと思います。これは視野の中でも中心視といって視野の中心のごく限られた範囲で、細かくて高度な情報を得る領域なんですね。中心視の力は文字を読むときや、画像の細かいところを見ようとするときに発揮します。

これとは対照的に中心視以外の視野を周辺視といいまして、大ざっぱで正確でない情報を集めて視野に入っているものの全体像を捉えることを助けていたりします。周辺視をいかに活用するかっていうのはスポーツ分野ではとても注目されています。

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そこで審判が試合の中で見なくてはいけないものってのはどういう特徴があるかを考えます。と言っても中心視で見るような文字情報ほど細かいものではないし、見えるか見えないかがはっきりしないような大ざっぱな情報でもないですよね。じゃ、何を見たいのかといいますと


ボール周辺
・どの競技者がボールに触っているか
・ボールと競技者の距離
・競技者が相手競技者に何をしたか(ファウルの項目にあたるチャージング、ホールディングなど)とその意図

ボール周辺外
・競技者が相手競技者に何をしたか(ファウルの項目にあたるチャージング、ホールディングなど)とその意図


この辺が最低限見ておきたいところだと思います。これをボールの動きから目を離さずに見るには、眼、頭をある程度動かしながらでも安定した状態で情報が入ってくる安定注視野といった周辺視のなかでも比較的しっかりとした情報が得られる範囲内ですべての選手を見渡しておく必要があります。

また「視野を90°以内に保つ」ことが重要なのは、この辺の理由からです。ただ、この視野の大きさには個人差があるようで、最大で45°(両側で90°)、小さい人だと30°(両側で60°)とされています。「視野を90°以内に保つ」だけでなく、周辺視のトレーニングも効果的かもしれません。

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「視野を90°以内に保つ」ことをちょっと立体的に見てみますと、この絵のような感じになります。選手の動きによっては自分のポジションでなるべく全員の選手が有効な視野に収まるようなポジショニングをすると、「あー見落とした!」ということがすごく減ると思います。


ちょっと小難しい理屈を引っ張ってきましたが、こういう視点から考えるといろんなことが見えてきます。もちろん今では様々なアスリートも科学的な分析を取り入れていますので、僕自身もっと勉強していきたいと思っています。

...ですので、次回も続きます!


参考文献

映像情報メディア学会 卓越研究データベース 視野角に対する画像の臨場感の客観測定
http://dbnst.nii.ac.jp/pro/detail/1147

日本人間工学会 畑田 豊彦 VDTと視覚特性 p50~51
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jje1965/22/2/22_2_45/_pdf

NHK放送科学基礎研究所 福田忠彦 運動知覚における中心視と周辺視の機能差
https://www.jstage.jst.go.jp/article/itej1978/33/6/33_6_479/_pdf


☆これまでの連載記事はこちら☆
(1)―レベルの低いフットサル大会は審判のレベルが低くても大丈夫?
(2)―ワンデイ大会の参加チームは選手?お客様?
(3)―アルバイト審判が誤審しました!どーする?
(4)―ゲームをコントロールする
(5)―サッカーの審判とフットサルの審判、どっちが大変?
【W杯直前】―フットサル審判からみる「ゴールラインテクノロジーが迎える初のワールドカップ!」
【W杯直前】―審判のジャッジとコミュニケーション
(6)―ワンデイフットサル大会がそもそも抱えている困難
(7)―審判の判断力について
(8)―審判員のポジショニング
(9)―フィジカルコンタクトを判定する
(10)―キックインの進め方についてお話します
(11)―判定基準を変えるという判断、についてお話します
(12)―「ファウル・不正行為」と「プレーの再開」についてのちょっと細かいお話をします
(13)―ハンドはどこからハンドなのか!?頭の体操を兼ねたお話をいたします
(14)―ハンドはどこからハンドなのか!?頭の体操を兼ねたお話をいたします
(15)―"第2PK"についてお話しようかと思います
(16)―セットプレーの進め方についてお話します

■著者プロフィール■

森田 真一 1979年生まれ。紆余曲折あったあと、2009年12月からフットスクエア江東・森下ショップリーダー(店長)。
Twitter:
@Shinichi_dingo (森田 真一)
@FOOTSQUARE_mori (フットスクエア江東・森下)
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■フットスクエアのフットサル大会■
「今週も、フットサルで集 まろう」をテーマに、フットスクエア江東・森下では毎週土日にフットサル大会を開催しています。そしてオンリーワンのフットサル大会をめざし、様々な企画 大会を提案しています。焼肉屋の牛角さんとコラボした『ぎゅーかくかっぷ』、勝てなかったチームだけを集めた『勝ちたいんや』、プレー時間70分を追求し た『けりまくり007(セブン)』『勝つまで帰れま10(テン)』などなど。たくさんの楽しみ方がつまったフットサル大会にぜひお越し下さ い


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