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[鈴木隆二(元フットサル日本代表)インタビュー_前編]「スペイン人の評価を得て、今はバルセロナ近郊のマルトレイ市で子どもたちの指導をしています」

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オフに帰国し国内の競技フットサルを精力的に観戦する鈴木隆二選手。

 

Fリーグの名古屋オーシャンズでプレーしたあと、2009年にスペインに渡った鈴木隆二と久々に会うことができた。7月に帰国して以来、フットサルはもちろん、育成年代のサッカーを観たり、一方で「サッカーのためのフットサル講習会」を開くなど相変わらず多忙な日々を送っているようだ。その鈴木隆二に関することで最大の驚きはバルセロナ近郊のマルトレイという市で10~11歳の子供たちのフットサルチームで監督を務めているという事実だ。フットボール先進国スペインの誇り高い人たちが日本人に監督を任せる経緯というのは極めて異例のことだ。2回にわたるインタビューのうち、前編はもっぱらそのことについて聞いた。

 

まとめ◆デジタルピヴォ! 山下

 

 

伝説のチームでプレー

 

Pivo! 去年はスペインフットサル2部Bリーグ、Sant Andreu de la Barca(サント アンドレウ デ ラ バルカ)でプレーし、今はスペインのバルセロナの近くに住み監督兼選手として活躍していると聞いているが。

 

鈴木 バルセロナの郊外にマルトレイという町があって、そこに住んでいます。現在マルトレイ市が運営するフットサルクラブで10~11歳のAlevinというカテゴリーの監督をやらせてもらっています。

 

Pivo! 監督になる前にもスペインで選手としてプレーしていた。まずはその話から聞こうか。

 

鈴木 名古屋オーシャンズを辞めてからスペインに来て、代理人も通訳も何も無しにやってきました。当初はほとんど話せないスペイン語で、交渉など各クラブの会長と直接話してやってきましたし、知り合いがいたわけでもないのでトライアウトも自分で探して機会をつくってやって来ました。それでスペインでプレーして3年目の一昨年に、スペイン2部リーグに所属しているマルトレイというチームでプレーをし、1部に昇格を果たしました。でも1部昇格後、財政的な問題を解決できず、結果的にトップチームが消滅してしまった。スペインは毎年クラブが消えていく一方なんですね。トップチームが無くなって、替わりに4部にいたマルトレイのサテライトがトップチームという形になりました。それで当時の1部に昇格したメンバーは、若いGKを除いて自分も含め全員が移籍しました。僕も、去年1年間は2部Bのチームでプレーすることになったんです。

 

Pivo! 昇格するはずが、ひとつ下のカテゴリーでプレーすることになったと。

 

鈴木 そうです。しかもそのチームは3部から2部Bに上がってきたばかりのチームで。でも今のスペインの現状としては、2部Bや3部にも1部や2部でプレーできるような選手がたくさんいて、下のリーグのレベルは昔よりも上がっています。それに、3部から上がってきたチームを自分が中心選手として2部Bに残留させられるかどうか、これが自分の中でとても重要なテーマでした。それまでスペインでプレーしてきましたが、本当にチームの中心選手として、『替えの利かない選手』と思わせるような選手になれたわけではありませんでした。2部リーグの選手として試合に出場していましたが、いわゆる超中心選手ではなかった。マルトレイにはほかに中心選手がいたんです。実は、マルトレイは、2部の16チーム中で財政的な予算が下から3番目のチームでした。メンバーも1部の経験があるベテラン選手が3人、2部でプレー経験があるのが自分を含め2人か3人で、半分が2部でのプレー経験もない選手。だから、チームの当初の目的は2部残留でした。
しかし、リーグ戦をプレーオフ圏内で終えると、プレーオフも勝ち抜き1部昇格を決めました。1部昇格を当然の目的としている他の2部のチームは予算もメンバー、そして環境もマルトレイとはまったく異なります。リーグ戦を1位で自動昇格したグラナダは、元スペイン代表や実績のあるブラジル人選手が多く在籍し、1部でも十分に戦えるメンバー構成でした。プレーオフの最後に対戦したブレラも、昔から2部では非常に有名なチームでメンバー構成も環境もマルトレイより圧倒的にいい状況でした。だからスペインの中では、あのときのマルトレイはちょっとした伝説のチームなんですよね。普通ではありえないことをやってのけたチームだと。

 

Pivo! なるほど、伝説のチームか。

 

鈴木 元々マルトレイは1部リーグの名門クラブでした。その当時は現スペイン代表でバルサでプレーをしているフェルナンダオやジョルディ トーラスも在籍していました。しかし、財政的な問題を抱えてしまい、2部Bリーグに降格していました。そのマルトレイを立ち上げ直し、1年で2部Bから2部、そして翌年に1部に昇格させた中心選手が、選手兼会長のジョルディ ガイと、選手兼副会長のディエゴ ブランコ。当時この2人は、38歳と37歳でした。また、カタルーニャフットサル協会会長で元マルトレイ監督のカジェがクラブ役員としてチームを支えてくれました。この3人のフィロソフィーが、僕を含めてマルトレイの経験の浅い選手を育てて鍛えあげて、1部に到底上がれないようなチームを1部に上げてしまったんです。僕はその2人の中心選手たちを見てきて、これが真のプロフェッショナルだと思いました。これがスペインの闘いの文化の中で、本当にチームを勝たせられるプロフェッショナルだと。

 

※このシーズン1部に昇格を果たしたグラナダとマルトレイは共に財政的な問題を解決できずに、1部昇格を断念。代わりにブレラとグラン カナリアの2チームが1部に昇格した。
※スペインリーグの構成は、1部、2部、2部B、3部、4部・・・・となっている。

続きは[鈴木隆二(元フットサル日本代表)インタビュー_前編]「スペイン人の評価を得て、今はバルセロナ近郊のマルトレイ市で子どもたちの指導をしています」(2013/9/12)(デジタルピヴォ!plus)


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