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「フットスクエア森田店長の日々徒然」アルバイト審判に求められる資質とは?(13)―ハンドはどこからハンドなのか!?頭の体操を兼ねたお話をいたします

こんにちは。森田です。

今ではフットサル場の仕事をしていても、僕自身選手としてのサッカー、フットサルの経歴なんてゼロに等しいなかで、何とかこうとかやっております。で、そんな過去を記憶の彼方に葬らんと、5年くらい前に草野球を始めたんですよ。でもね、なかなか出ないんですよ、ホームラン。過去の記憶を葬らんと、頑張ってるんですけどね。ほうむらんと。

(13)―ハンドはどこからハンドなのか!?頭の体操を兼ねたお話をいたします

「ハンド」ってありますよね。サッカー、フットサルはボールを蹴ってゴールに入れるスポーツですから、基本的に手は使っちゃいけないというルールになってます。ですので、手でボールを触ると「ハンド」!ということになります。

では、その「ハンド」は競技規則にどう書かれているでしょうか。

● ボールを意図的に手、または腕で扱う(ゴールキーパーが自分のペナルティーエリア内にあるボールを扱う場合を除く)。

フットサル競技規則 2013/2014

「手、または腕」なので「ハンド(hand)」だけじゃねーじゃねーか!という風に読んでしまう方もあるかと思います。しかし、もともとの英語版の競技規則では「handles the ball deliberately 」とされているので、「手」も「腕」も競技規則で書かれているわけでなく、「扱う(handle)」の適切な和訳をするために「手」と「腕」が足されたようです。なので、「ハンド」は「手(hand)」という意味からきたのではなく、「扱う(handle)」という意味の「ハンドル」だと考えるべき、とよく言われます。

「意図的」と「意図的でない」の境目は?

ということは、手であろうが腕であろうが当たっただけでは「ハンド」とはならず、手や腕でボールを意図的に扱うことが「ハンド」であるということになります。実際の試合でも偶然に手や腕に当たったのではないかというシーンはよく見られ、「ハンド」か「ハンドでない」かという判断は、手や腕に当たったことが「意図的」か「意図的でない」かということが基準となるわけです。

よくよく調べて見ると、フットサル競技規則には「意図的に」という言葉が16回でてきます。例えば、

ゴールキーパーが次の 4 項目の反則を犯した場合、間接フリーキックが相手チームに与えられる。
[中略]
● 自分自身のペナルティーエリア内で、味方競技者によって意図的にゴールキーパーにキックされたボールを直接手、または腕で受ける。

フットサル競技規則 2013/2014


こういう反則も「意図的」か「意図的でない」かが判定の基準となることがありうるわけです。

あるプレーに対して反則に値する意図があったかどうか、というのは主審・第2審判の判断に委ねられているわけですから、「シュートされたボールがディフェンダーの手に当たった!手がボールを避けるのは難しかったけど、少しでもシュートを防ぎたいという意図がディフェンダーにはあった!」と審判が判断したならば、それは反則と判断して構わないわけです。それも「コモンセンスに基づいた上でこうだ!」と判断できたならばなんの問題もないと思います。

しかし審判自身も微妙なプレーがあったとき、それが「意図的」だったのか「意図的でない」のかという判断がどうにも自分自身の心象がはっきりしないことがあります。そういうときのために、「意図的」と「意図的でない」の境目を考えてみようと思います。

「未必の故意」と「認識ある過失」

頭の中を一度フットサルコートから移して、世間一般では「意図的」と「意図的でない」の境目はどう考えられているのか、ということを見ていきたいと思います。そこで一般的にはよく「意図的」ということを「故意」といい、「意図的でない」ということを「過失」といいます。そういった法律などでよく問題にされるところから「意図的」って何なのかというのを考えようと思います。

では、故意と過失の境目はどこなのか。「故意」なんだけどすごく「過失」に近いこと、言うなれば「わざとはわざとなんだけど、やってやろう!とまでは思ってなかった、でもわざと」くらいのエリアを「未必の故意」と言います。

また、「過失」なんだけど「故意」に近い、「わざとじゃないんだけど、そうなっちゃうかもと思ってた、でもわざとじゃない」くらいな感じの「認識ある過失」という言葉があります。

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結局のところ「未必の故意」と「認識ある過失」はどちらもことが起こるとを知っていたけども、その違いは「ことが起こっても仕方がない」と思っていたのが「未必の故意」で、「そんなことは起こらない」と思っていたのが「認識ある過失」だということになります。微妙ではありますが、「未必の故意」であれば結局は故意、「認識ある過失」であれば過失(故意ではない)としてもいいというように捉えます。

これを実際にハンドの例に照らすと、「ボールが手に当たるかもしれない」ことは知っているという状況で、「手に当たってもいいや」と思っているのが「未必の故意」、「この展開じゃ手に当たることはないだろう」というように思っているのが「認識ある過失」ということになります。

これに沿って先ほどのケースで、キーパーに意図的にキックされたボールが「意図的」か「意図的でない」かの境目も考えてみてはいかがでしょうか。

判定の善し悪しを分けるもの

先日のワールドカップでも判定が様々な議論を呼ぶということがありましたが、いい判定というのは基本的には競技規則にきちんと基づいていて、なおかつ誰も文句を言わない判定なのかな、と思ってしまうわけです。ただ、どちらのチームからも文句のつけようのあるプレーというのは実際にあって、そういうときにはチーム同士では問題を解決できないので全く別の観点から判定するために審判がいるわけです。そういうプレーに対してどちらのチームともに言いたいような文句をいうというのは本末転倒だというのはあまり理解されていません。

重要な場面ではしっかりとした判定が求められるということはもちろんありますが、重要でない場面であろうとも常に審判はもっとも公正でベストな判定をしようと努めているということが理解されてほしいと思っています。

翻って審判をする立場に立つと、「審判はお願いされてここにいるんだ!」と居直ったとしても誰も聞き入れてはくれないわけです。かといって、微妙な判定に悩み込んでしまうような時間すらなくリプレイを見ることも許されないので、気丈にポジティブに、プレーヤーを疑いつつも信じながらも、ゲームを進めるわけです。

「意図的」か「意図的でないか」の判定をしなければならない場面はまれではありますが、まれな判定が重要な場面で往々にして必要になり、審判として信頼を得るか失うかを往々にして分けることになるものです。微妙な判定がいかに微妙なのかをその場で説明できたら、どちらのチームも文句を言えなくなるかもしれません。その積み重ねで審判はまたポジティブさを取り戻していくんじゃないかな、ということを考えたりします。

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☆これまでの連載記事はこちら☆
(1)―レベルの低いフットサル大会は審判のレベルが低くても大丈夫?
(2)―ワンデイ大会の参加チームは選手?お客様?
(3)―アルバイト審判が誤審しました!どーする?
(4)―ゲームをコントロールする
(5)―サッカーの審判とフットサルの審判、どっちが大変?
【W杯直前】―フットサル審判からみる「ゴールラインテクノロジーが迎える初のワールドカップ!」
【W杯直前】―審判のジャッジとコミュニケーション
(6)―ワンデイフットサル大会がそもそも抱えている困難
(7)―審判の判断力について
(8)―審判員のポジショニング
(9)―フィジカルコンタクトを判定する
(10)―キックインの進め方についてお話します
(11)―判定基準を変えるという判断、についてお話します
(12)―「ファウル・不正行為」と「プレーの再開」についてのちょっと細かいお話をします

■著者プロフィール■

森田 真一 1979年生まれ。紆余曲折あったあと、2009年12月からフットスクエア江東・森下ショップリーダー(店長)。
Twitter:
@Shinichi_dingo (森田 真一)
@FOOTSQUARE_mori (フットスクエア江東・森下)
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