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「フットスクエア森田店長の日々徒然」アルバイト審判に求められる資質とは?(9)―フィジカルコンタクトを判定する

こんにちは。森田です。

くる日もくる日もこの炎天下、みなさんいかがお過ごしでしょうか。うちのフットサルコートでもお昼どきには目玉焼きが焼けそうなくらいにコートがアツアツです。フットサルコートサイズの目玉焼きを作りたいシェフの方がいらしたら、ご連絡お待ちしております。


(9)―フィジカルコンタクトを判定する

言わずと知れた、審判をする上で最も神経を要する判定のひとつであるのがフィジカルコンタクトの判定であります。このコラムのテーマは「アルバイト審判に求められる資質とは?」なんですけども、今までゲームをどうコントロールするか、とか、判断力をどう養成するかということには触れてきましたが、じゃあ実際何がファウルで何がファウルじゃないのか、ということについては明確に説明していませんでした。それではコントロールも判断力もないということになってしまいます。

とはいえ、サッカーにせよフットサルにせよ、フィジカルコンタクトがあったときに何がファウルで何がファウルではないのかという判定を、「明確に」説明することはなかなか難しく、無理のある理解を強いるものであるかもしれませんが、どうかお付き合い願えたらと思います。


競技規則を読む

サッカーにせよフットサルにせよ、「えー今のファウルじゃないのー?」みたいなシーンはよく見かけると思いますが、それでは競技規則にはフィジカルコンタクトのあるファウル(直接フリーキックで罰せられるファウル)をどうやって判定すると書いてあるのか、それを見ていきましょう。(以下の条文は細部を除けばサッカー競技規則と全く同じです)


直接フリーキックで罰せられるファウル

競技者が次の 7 項目の反則を不用意に、無謀に、または過剰な力で犯したと主審・第 2
審判が判断した場合、直接フリーキックが相手チームに与えられる。

● 相手競技者をける、またはけろうとする。
● 相手競技者をつまずかせる。
● 相手競技者に飛びかかる。
● 相手競技者をチャージする。
● 相手競技者を打つ、または打とうとする。
● 相手競技者を押す。
● 相手競技者にタックルする。


次の 3 項目の反則を犯した場合も、直接フリーキックが相手チームに与えられる。

● 相手競技者を押さえる。
● 相手競技者につばを吐く。
● ボールを意図的に手、または腕で扱う(ゴールキーパーが自分のペナルティーエリア
内にあるボールを扱う場合を除く)。

直接フリーキックは、反則の起きた場所から行う(第13条─フリーキックの位置を参照)。

上記の項目の反則は、累積ファウルである。

フットサル競技規則 2013/2014

サッカー、フットサルを知っている方なら、「まぁそんな感じだよね」という印象だとは思いますが、ポイントは条文に示されている相手競技者をけるなどの項目よりも、項目を導くその前の文にあります。


【原文】 競技者が次の 7 項目の反則を不用意に、無謀に、または過剰な力で犯したと主審・第 2審判が判断した場合、直接フリーキックが相手チームに与えられる。

【解説】 次の項目は反則だけど、それをファウルにして直接フリーキックにするかどうかは審判が判断します。その基準は、次の項目を「うっかり」「投げやりな感じで」「普通じゃありえない感じで」やったと審判が思ったかどうかで、「うっかり」ですらなければファウルじゃありません。


続いて下段の方はこうなります。


【原文】 次の 3 項目の反則を犯した場合も、直接フリーキックが相手チームに与えられる。

【解説】 次の項目は反則なので、審判はそれを見たらどう思ってもファウルにして直接フリーキックにしなきゃいけません。


上段の部分はこれが競技規則なのかというくらいに、一般の方が読めば曖昧とも捉えられかねない文になっています。しかし別の言い方をすれば、この文が競技規則の中でフットサルをフットサルたらしめている文だと言うこともできます。

逆に下段の文は競技規則らしいという印象を持つことができます。上段と下段の文の兼ね合いが重要な部分もありますが、上段の項目には以上のような条文を付ける必要があったということの証左が、下段の文との違いと言えます。

DSCN1932.JPG


フットボール・コンタクト

もともとはサッカー発祥の地イングランドで用いられている「フットボール・コンタクト」という言葉があります。この言葉には、サッカーとは体をぶつけあいながらボールを奪い合うスポーツである、というサッカーの母国の信条が込められています。

そして「フットボール・コンタクト」とはファウルではないフィジカルコンタクトのことを総称しています。ボールを奪い合うために体がぶつかったなら「ファウルではない」ということを意味していて、先ほど説明した直接フリーキックの上段部分で、審判が「不用意に」でも「無謀に」でも「過剰な力で」でもないと判断したフィジカルコンタクトは「フットボール・コンタクト」であり、ファウルではありません。

「フットボール・コンタクト」は競技規則の中には用語としては出てきませんが、その考え方を理解すると概念としてはしっかり存在していることがわかります。


どうやって判断するのか

以上の考え方を理解していただいたとしても、結局のところ判断基準はどこにあるのか、ということはあまり明らかになっていません。とても曖昧な言い方をすれば、サッカー、フットサルをプレーする上での常識、いわばコモンセンスとして積み重ねられたものが基準となっている面があります。

ただやはり、アルバイトの子に審判を任せることを考えるとそれでは運用が難しい面があります。そこでフィジカルコンタクトをどう判断するかを考えていきたいと思います。


フィジカル・コンタクトは「不用意に、無謀にまたは過剰な力で」(第12条P.172)で行われない限り、ファウルではありません。選手がどのような意図をもってプレーしたか、また、相手のプレーにどの程度影響を与えたかが見極めのポイントになります。

『ポジティブ・レフェリング―ファウルが減る! ゲームがおもしろくなる! 驚きのサッカー審判術』松崎康弘


上記の著書ではひとつひとつの事例に沿って解説されていますので、興味のある方はぜひご一読ください。ここではすべての事例に時間を割くことはできませんが、いかにフィジカルコンタクトを見極めるかという点について以下にまとめてみました。

コラム-5.jpgひとくちに悪意といいましても小さなものから大きなものまであり、ボールを奪う意図と相手に不利益を与える意図が混ざっているような場合もあります。様々な体の動きにどんな意図があるかというのはFリーグのプレーなどをスローモーションで見るとよくわかります。

相手が受けた影響の大きさも、技術的な要因なのか体格的な要因なのかということもよく見ていく必要があります。

また、あえて手の不正な使用という項目を加えましたが、これは直接フリーキックの条文の下段に記載されている、「相手競技者を押さえる」に該当する場合が多く、その場合は「不用意に」「無謀に」「過剰な力で」行ったかどうかは関係なくファウルとしなければなりません。そして手はサッカーでもフットサルでも用いないものですから、手の不正な使用は悪意を伴うものと考えるべきであるので、場合によっては相手に影響がなくてもファウルとする必要があります。

コモンセンスに基づいて

前々回の『審判の判断力について』でも述べましたが、審判の判断基準は競技規則だけでなくコモンセンスを必要とします。「フットボール・コンタクト」なのかファウルなのかという判断は最も頻繁にコモンセンスを要求するものであります。

また、ほとんど同じようなフィジカルコンタクトが2つあったとしても、選手やチームの技術レベル、試合の重要性などの条件で判断は変わりうるかもしれません。しかし判断が変わるとしても、審判がそれまでに見てきたフットサルの様々な状況の蓄積であるコモンセンスに基づいて、最もいい判断を選択するべきであるというのが競技規則の示すところなのだと思います。

今回もじゃっかん小難しいテーマになってしまい恐縮ではありますが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。もうちょっとわかりやすいものが書ただきありがとうございました。もうちょっとわかりやすいものが書けるように精進していきたいと思います。

☆これまでの連載記事はこちら☆
(1)―レベルの低いフットサル大会は審判のレベルが低くても大丈夫?
(2)―ワンデイ大会の参加チームは選手?お客様?
(3)―アルバイト審判が誤審しました!どーする?
(4)―ゲームをコントロールする
(5)―サッカーの審判とフットサルの審判、どっちが大変?
【W杯直前】―フットサル審判からみる「ゴールラインテクノロジーが迎える初のワールドカップ!」
【W杯直前】―審判のジャッジとコミュニケーション
(6)―ワンデイフットサル大会がそもそも抱えている困難
(7)―審判の判断力について
(8)―審判員のポジショニング

■著者プロフィール■

森田 真一 1979年生まれ。紆余曲折あったあと、2009年12月からフットスクエア江東・森下ショップリーダー(店長)。
Twitter:
@Shinichi_dingo (森田 真一)
@FOOTSQUARE_mori (フットスクエア江東・森下)
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■フットスクエアのフットサル大会■
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